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歌詞

2020年12月7日20:50

あなたが闇を歌うなら

わたしは希望を唄おう

 

あなたが闇を唄うとき

わたしは希望を歌おう

 

不安より愛

 

わたしがわたしでなければ

何も意味がないから

 

 

きみに哀しい表情をしてほしくない

というのは間違いなくわたしのエゴだけれど

いまヒトで在る私、なら

想ってもいいと思うんだよ

 

それくらい、あなたのことが好きなんだよ

それくらいのことなら

それくらいなら、さ

我儘言ってみてもいいんじゃないかな

 

夜明け前

 

わたしが昏闇に居た時

あなたは光を歌っていた

わたしが闇に目を凝らしていた時

あなたは星となってくれていた

あなたの、あの唄が

あなたの、あの声、その声で

今も

いつだって、残像じゃないよ

わたしにとっては過去なんかじゃないんだよ

遠くてもそばに

いつも、すぐ、そばに

決して残響なんかじゃなくて

今なんだよ

 

見つけたの、方法を

過去にあなたがいるのなら

わたしは降り立つことができる

未来は不確定ゆえに数多在る可能性から

はっきりとした意図を掴む必要がある

反対に、もう形をもって定着して在る時間

その場所なら、可能だ

意識だけ飛ぶくらい造作もないことだ

だから私たちの糸電話は通いあってきた

多くは音楽を介して

時に星が取り持って

 

2021年7月28日23:56

苦虫を噛み潰したかの様な顔をした

あなたが可笑しくて

手を叩いて笑っていたのは去年の夏

イカがとても好きだから

あなたはよく買ってきてくれた

皮一枚、種まですべて食べ尽くしてしまう私を

あなたはいつも

丁寧に食した皿の上から

面白そうに眺めていた

 

花火がしたいの、まだ春だけど

季節なんて関係ないよ

一緒に見たいんだ

それを振り回して、朗らかに微笑む

あなたの顔が、今すぐに

 

冬が来る前に溶けて消えてしまう

食べかけのアイスクリームと

レモンを絞っただけのかき氷

食べ損ねたまま

わたしの記憶の中で、ずっと

 

あなたは甘いのが苦手だった

それはお互いに

隠して、手を繋いで

 

花火がしたいって、

まだ春だから売っていないでしょう

コンビニにはね

だから駅向こう、

買いに出かけよう

冷たい手を取って、引いた

顔をあげて見れば、

眉を下げて微笑んで応える

あなたは、いつだってそう

優しかった

 

春が来る前に夢は醒める

醒めなければ、生きていけない

時期に大好きな季節がやってくる

あなたの誕生日の頃には

あなたを解放して

わたしもひとり、行かなければ

 

最初からひとりだった

生まれてから死ぬまでそう

だから、大丈夫

すべては内側にあるの

並べたスイカの皮も

アイスもかき氷も

しけてて点かなかった花火の火の粉も

あなたの温もりも、すべて

わたしが生きている限り

わたしの中に在る

喩え、忘れても

 

秋が苦手だった

夏の終わりを告げて

その背には冬の手を引いて、隠しているから

春も少し苦手だった、子供の頃から

はじまりの季節、

そこに純粋に希望を抱けたなら良いのに

あなたに出逢って、それが特別な彩を持った

その日が、

わたしの誕生日と同じに意識して、輝く

 

苦虫を噛み潰したかの様な顔をしたきみは

可笑しくて手を叩いて笑っていたわたしを

ただ黙って見て、聴いていた

面の強がりと虚勢を盾にして

心音に秘したわたしの祈りが、どうか伝って

いつかのあなたを護り、

その幸福な生涯の最期まで運ぶ

風の一縷と働きますように

 

果てまで運び、

最期に鳴る風の一縷と吹き/なりますように

 

 

 

みんな誰かの守護天使

すべての記憶を落としても

あなたひとりの事だけは憶えている

あるいは散った面影

その、たった一片だけ握りしめて

そこから必ずすべてを思い出す

 

あなたに辿り着く

そして見つける、何度でも

わたしにとってあなたは

そんな人

 

人知れず

咲いて枯れた向日葵

収穫の時期を見誤って

熟れて落ちた果実

あるいはまだ青い頃に

誰かに狩られてしまったプラネット

 

成るかどうかなんて

もうどちらでもいいの

そう言えば、強がりと

またあなたはわらうかもしれない

 

ひとつだけ、打ち明けるのなら

どんな最期のワンシーンを

この胸に収め

どんな想いを魂に刻むことなったとしても

ハッピーエンド

そう、決めているの

 

姿の見えない王子様

姿を消した惑星の王様

ひとのかたちをしていても、いなくても

そこに居た、居ることに変わりはない

わたし達はこのパラドックスをよく知っている

だから分かる、

どんな事があっても私たちなら大丈夫

メッセージを送ったでしょう

 

失ったものなんて何ひとつなかったよ

 

どんなシグナル、サインにも気づける

たとえ会えなくても

 

約束しましょう、その時は

慣れ親しんだ、見えない世界で

 

あの日のことを夢に見た

木星に飛ぶ直前の光景

嘘をついて、あなたをわざと

向こう側の部屋に残した

境を敷くガラス戸をわたしが閉じた時、

あなたは一瞬だけ、

驚き狼狽えた表情を晒した後、

すぐに、わかったと、

真っ直ぐな瞳

目だけで聞かせてくれた

 

わたしの想いを汲み取り、受け取ったことを

 

指の腹だけが重なる

つたわるものは分からなかったけれど、きっと

感じていたものは冷たさではなかったはず

同じ言葉を

そこに湛えられたあなたの魂、

その光でもって、聞かせてくれた

 

隔たりに触れて

あちらとこちらで重ねた指先

その感触をもう思い出せないけれど

決してかなしいだけではなかった

伝った想い

きっと涙と同じくらい、あたたかかった事を

憶えている

 

あなたの目、そこに見たあなたの心、

くれた答えが、

私の背筋を伸ばし、強く押してくれた

 

生きてほしい、という私のエゴ

そして、いつかまた、という

私の願いと同じ声がする

あなたの視線を背中に感じて、

出ていったことを憶えている

 

信じて、願った瞬間に

摘まれてしまう事もあるから、

恐れていたけれど、願わなければ、

はじまらない

 

そして、私の知る神様は

罰の様に見せかけて、結局は

人に恋することを赦し

叶えて仕舞われるような方だ

 

あなたはあの日、

信じたと言った

私もよ

 

今を生きて、必ず

行きたい未来に行きましょう

生きたい世界を生きよう

 

例えば、そこにあなたが居なくても

あなたのそばに、わたしは居なくても

繋がっているから

わたしの出会うあなたが、

わたしと目を合わし、

声を交わすことすらなくても

そのあなたの向こうに居るあなたは、

必ず気づくでしょう

 

もしもその時は、

そこに至るまでも、ずっと、

肌身、プシュケ離さず、もってきた言葉を

目の前の、その姿のあなたに託すよ

きみの幸を願う心と共に

 

 

✴︎Angel

恐がらなくていい、と

最初に教えてくれたのは

あなただった

 

よく頑張ったね、と

最初に言ってくれたのは

あなただった

 

そう、その唄だった

 

ずっと信じてきた

きっと

これからも

 

小さい時

お祈りをしていたら

頭にそっと手を置かれた

目を開いても

目の前には誰も居なかった、けれど

ちゃんとわかった

 

あなたの唄、聞こえたよ

あなたの声、届いたよ

受け取ったよ、わたし

今も、聞こえているよ

 

その唄わたしのお守り

 

あなたの声は安息地

何もかも解いて

目を閉じて安心して

身を離せるほど

 

その唄わたしのお守り

きっと葬送の時も

わたしの耳にはこの唄

あなたの歌を

聴いている

 

 

わたしでも

誰かを

抱きしめたいと思えたよ

 

抱きしめることができる

 

あなたが、忘れていてもいいさ

それより、その瞳に

ただ文字通りわたしを映して

何か想ってくれたなら

それでもういいや

それがあったなら

もう充分だ

 

あなたの居ない明日を唄う

わたしの声は届いていますか

あなたの耳にきっと、

届いてくれていたなら上々

 

過去のあなたに

現在、未来のあなたへ

 

 

 

 

 

 

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typical heart

見上げた宇宙に谺した声は

いつの誰のもの

夢で見た光景と現実がダブって視えたとき

あれは本当に記憶のエラーなのかな

 

あの日、眠る前に

ひとつ問いかけた

あなたは夢に現れて

私を見つけてくれた

私の中のなにを引き換えにしてもいい

私はあなたがいい

 

私の中のなにを引き換えにすることに

成ってもいい

私はあなたを選ぶ

 

私はあなたを選んだ

 

明日世界が滅ぶなら、

そんな有り触れた喩え

でもありえる話

人間はバカな生き物だから

自然が為す前に自爆を選ぶ

そんなパターンだって起こり得る

 

生命の果てを前にして

あるいは私の世界の果て

「明日、滅ぶとしたら?」

私はあなたがいい 

 

最後に耳にしたい

目にしたい

感じたい魂は

あなた

 

あなたに会いたくて

生まれてきた

なんて、言っても信じないでしょう

でも不思議なの

今までのあれやこれ

あなたを知る、ずっと前に起きた

あれもこれも

全部、あなたに繋がって映る

私の世界、もうあなた無しでは

成り立たない

情け無いね、ばかみたいだね

でも、そうなんだよ

 

あなたが一度として

私の名を呼ばずに終わるなら

それは、それで構わない

私を一生知らないままでも、いい

私はあなたがいい

 

あなたが好きだよ

 

星が流れれば想うよ

あなたの倖せ

星の寿命と引き換えに叶う願いって何だろう

でも私の生命が星と同じとしたら

あなたの一番の願いを乗せて

届けたい場所まで必ず飛んで

運びたいと思うでしょう

きっと、そういうことかも知らない

きっと、そういうことなんだよ

そして、それはたぶん

愛に限りなく近い欲求

心の隣